いつからであろうか
父の日のプレゼントをしなくなったのは -
数年前より認知症になった父に
どうせプレゼントを渡しても、と思うようになり
プレゼントをしなくなった。
でも、父の日に、もう一度父のことを考えてみた。
ふと、最近プレゼントを渡していないなと気付く。
もし、また私から父へプレゼントを渡したら、
きっと父は喜んでくれるだろうなぁ…。
父の喜ぶ顔が見たい。
それが、今年は父の日にプレゼントを渡そうと心に決めた理由だった。
私が贈るプレゼントはこちら。
漆塗りの木のマグカップ。
毎日お茶を飲みながら新聞を読む父。
ずっと陶器のものを使っていたけれど、
木のものがいいと思った。
家具職人だった父は、家具をなでるように触るのが癖だ。
きっとこのマグカップも
気持ちいいと言いながら、なでてくれるだろう。
父を想い、考えたら、父の喜ぶ顔がみたくなった。
そんなわたしの父の日ストーリーでした。(田中島公美代)