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一緒ダイニングテーブル製作秘話

揺れないテーブルが造りたかった



タナカジマのオリジナルテーブル造りは2011年に始まりました。

今でも強烈な印象が残っている震災の年です。

そこでまず思い描いたのが「強固な造り」

いざとなったら家族の命さえ守れる、頑丈で揺れない強いテーブルを造ろうと想いスタートしました。

頑丈さを求めこれ見よがしに太い脚にすれば美しさに欠けてしまいます。

空間の中でさりげなくたたずむムダを削ぎ落したフォルム。

シンプルかつ、空間に程よい緊張感を生むデザインが良いと、何度も試行錯誤しました。

「何も足さない、何も引かない」


だが、開発を始めてすぐに壁にぶつかりました。

揺れが止まらない。

単純な4本脚でどこから見てもスッキリしたデザイン。合わせる椅子を選ばないテーブル。

その上で『揺れないテーブル』を造るというのは無謀な要望でした。

職人さんたちのアイデアと技、諦めない気持ちに救われた。
試作で造ったテーブル6台。
何台造れば思い描いたテーブルに辿り着くのか。
今考えれば職人さんたちの苦労は相当なものだったと思います。
毎月、毎月北海道の旭川に通い職人さんたちと話し、試行錯誤の毎日です。
『これを造るの大変なのさー。』『よそじゃ造れないさ。』(旭川の方言)
と言いながら何台も試作を作ってくれてたのをよく覚えております。

こうして職人さんたちの諦めない気持ちでやっと今の形に辿りつきました。
見えない部分の造り込み。
いざとなったら家族の命を守ってくれるテーブル。
揺れない、美しいテーブル。



家族みんな一緒に過ごしてほしい「一緒テーブル」の完成です。



ここで少しだけ秘密をお教えします。

揺れない秘密は...

・がっちり組んだ門型の脚

・天板の裏側の補強材



脚の接合部はかなり精密な造りで、数ミリのズレも許されません。
まさしく職人泣かせですね。
旭川(北海道)のしっかりとした材料と職人技術があってこそなせる技!

シンプルかつ端麗な美しさを出すためにはなるべく余分なものを省いて造りました。

門型の脚で横の揺れを抑え、天板裏の補強材で縦揺れを抑えてあります。

お店でぜひとも揺らしてみてください。

太い脚に見せないため、内側に向かって斜めにカットを入れてあります。

そんなひと手間だが、そこには職人さんのこだわった技術と情熱がたくさん詰まっています。


ここまでお読みいただきありがとうございました。

次回の更新を楽しみにお待ちいただけますと幸いです。


たなかじま家具店

田中島一仁

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